再婚前、正直なところお金のことはそんなに深く考えていなかった。
自分の給料で自分の生活をまかなう。足りなければ節約する。余れば好きに使う。それだけだった。
でも6人家族になってから、その感覚は完全に変わった。
一番最初に現実を教えてくれたのは、米びつだった。
「どこに入っとるんか」——食費の洗礼
結婚したとき、長男はすでに中学生だった。
正直、子どもの食欲をなめていた。
食べ盛りとはよく言ったもので、食うときは大人の3倍くらい食べる。最初に食卓を囲んだとき、目の前でどんどんご飯が消えていくのを見て、思わず笑ってしまった。
そして米。ひと月で30kgがなくなる。
知り合いから30kgまとめて買う生活になるとは、再婚前には想像もしていなかった。
さらに衝撃だったのが次男だ。
体は長男よりほっそいのに、食べる量は次男の方が多い。どこに入っとるんか、と毎回思う。細い体のどこかに無限の胃袋が隠されているとしか思えない。
それまで自分の出費だけ気にして生きてきたけど、そういうわけにはいかなくなった。家族6人分の食費という、今まで考えたこともなかった数字が、毎月リアルにのしかかってくる。
妻が教えてくれた「お金の使い方」
家計管理は妻に任せている。
妻を見ていて気づいたのは、生活が多少苦しくなっても、子どもにかかるお金だけは絶対に削らないということだ。
習い事、学校の行事、必要なものがあればすぐに動く。自分のものは後回しにしても、子どものことは迷わない。
それを見たとき、素直にかっこいいと思った。
女手一つで何年も育ててきた人の、お金に対する覚悟みたいなものが滲み出ていた。自分も家計は任せているけど、見習うべきところだと思っている。
節約とか効率とかじゃなくて、「何を大事にするか」がはっきりしている人の強さだ。
うちはお小遣い制じゃない
よく「再婚家庭はお金の管理をしっかり分けた方がいい」という話を聞く。
でもうちは逆で、財布は完全に一緒だ。
使いたいときに使う。いちいち報告しない。「今月いくら使った」という細かい管理もしない。お互いへの信頼ベースで回している。
これが意外と心地よい。
お金のことでピリピリしない。「これ買っていい?」とお伺いを立てる必要もない。家計を「共同プロジェクト」として一緒に動かしている感覚がある。
ステップファミリーって、どこかぎこちなさが出やすい場面が多い。でも財布を一つにしたことで、「この家族でやっていく」という覚悟が自然と生まれた気がしている。
財布が一緒だと、サプライズができない問題
ただ、一つだけ困っていることがある。
妻に何かプレゼントを買ってあげたいとき、財布が一緒だから値段で大体バレてしまうのだ。
カードの明細、通帳の残高、レシート。どこかで必ず足跡が残る。
本当は何も気づかれずにサプライズしてあげたいのに、「あ、なんか買ってくれたんか」と先にわかってしまう。
これだけは今も解決策が見つかっていない。こっそり現金を引き出しておくくらいしか方法がない。
誰かいい方法を知っていたら教えてほしい、と割と本気で思っている。
まとめ:お金の話は、家族の価値観の話だった
ステップファミリーになって、お金の使い方が変わった。
米30kgを毎月消費する生活になったし、子ども優先の出費が当たり前になった。財布を一つにして、一緒にやっていく覚悟が生まれた。
お金の話って、突き詰めると「何を大事にするか」という価値観の話だと思う。
妻が子どものためにお金を惜しまない姿を見て、この人と家族になってよかったと思った。
細いのによく食べる次男を見て、笑いながら米を炊く日々も、悪くない。


コメント