「パパって呼んでもらえるのかな」――再婚が決まったとき、真っ先に頭に浮かんだのはそのことだった。
2020年に再婚したとき、妻の連れ子は3人。長男は中学2年生、次男は小学6年生、三男は小学1年生だった。年齢も性格もバラバラな3人を前に、「自分のことを何と呼ばせるか」は正直、かなり悩んだ問題だ。
この記事では、ステップファミリーの子供がパパ・お父さんと呼ぶかどうか問題について、わが家のリアルな体験をもとに書いていく。同じ悩みを抱えているステップパパ・ステップママに、少しでも参考になれば嬉しい。
ステップファミリーの「パパ呼び問題」はなぜ起きる?
ステップファミリーにおける子供の呼び方問題は、多くの家庭が最初にぶつかる壁のひとつだ。
実親がいる子供にとって、「パパ」「お父さん」という言葉はすでに別の人に紐づいている。それを新しい大人に使うことへの抵抗感は、子供の年齢が上がるほど強くなりやすい。一方で継親側も、「呼んでもらえるかどうか」に自分の存在を受け入れてもらえるかどうかを重ねてしまいがちだ。
つまりこの問題、子供の気持ちと大人の不安が複雑に絡み合っている。だからこそ、正解がひとつじゃない。
わが家の3人はどう呼んでいたか――結婚を機に「父ちゃん」へ
結婚する前は、3人ともぼくのことを名前で呼ぶか、そもそも呼びかけ自体を避けていた。「パパ」と呼ばせるつもりも、強制するつもりも一切なかった。
それが、結婚してから少しずつ「父ちゃん」と呼んでくれるようになった。押しつけたわけじゃない。「父ちゃんと呼びなさい」なんて一度も言っていない。それでも自然とそう呼ぶようになったのは、子供たちなりに「家族になった」という感覚が育ったからじゃないかと思っている。
長男(中2)――照れながら「父ちゃん」
思春期まっただ中の長男は、最初のうちは呼びかけ自体をほとんどしなかった。話しかけるときは「あの…」から始まる感じで、名前もパパも呼ばないスタイルだった。
でも結婚から数ヶ月が経ったある日、照れくさそうに「父ちゃん、ちょっといい?」と話しかけてきた。さりげなく受け流したけれど、内心はかなりうれしかった。中2の男の子にそう呼んでもらえるとは正直、思っていなかったから。
次男(小6)――お兄ちゃんに続いて
次男は兄の様子をよく見ている子で、長男が距離を置いているときは同じように距離を置いていた。「…ねえ」とか「ちょっと」みたいな呼びかけが続いていた。
長男が「父ちゃん」と呼び始めると、少し遅れて次男も自然とそう呼ぶようになった。兄の真似をしたのか、それとも自分のペースで決めたのか。どちらにしても、ふたり揃って「父ちゃん」と呼ばれる日が来るとは思っていなかった。
三男(小1)――一番すんなりと
小学1年生だった三男は、上2人と比べるとずっとフラットだった。結婚してそれほど間もなく、ごく自然に「父ちゃん」と呼んでくれるようになった。
子供の年齢が低いほど、新しい関係を受け入れるのが早い。これはわが家だけじゃなく、他のステップファミリーの話を聞いていても感じることだ。三男のすんなりとした「父ちゃん」が、上2人の背中を押してくれた部分もあったかもしれない。
「父ちゃん」と呼ばれた日のこと
再婚してしばらく、「パパと呼ばれたい」という気持ちが自分の中にあることに気づいた。いや、正確には「呼ばれることで、受け入れてもらえたと感じたい」という気持ちだ。
でも実際に「父ちゃん」と呼ばれたとき、ぼくが感じたのは安心というより、じんわりとした責任感だった。この子たちの「父ちゃん」になったんだ、という感覚。嬉しいのと同時に、ちゃんとしなきゃという気持ちが湧いてきた。
呼び方ひとつで、こんなに気持ちが変わるとは思っていなかった。
「父ちゃん」と呼ばれるまでに大事だったこと
振り返ると、子供たちが自然と「父ちゃん」と呼んでくれるようになったのは、日々の積み重ねがあったからだと思う。
- 呼び方は子供に委ねる。強制しない、誘導もしない
- 「呼ばれたい」は大人の都合。子供のペースを尊重する
- 年齢が低いほど柔軟。思春期の子には特に焦らない
- 毎日のご飯、笑い、困ったときに頼れる関係を積み重ねる
- 呼び方より関係の質。小さな信頼の積み重ねが全て
ステップファミリーの子供の呼び方問題に正解はない。でも、「子供のペースに合わせる」という軸だけ持っておけば、焦らずにいられる。
もしあなたも同じ悩みを抱えているなら、今日から少し肩の力を抜いてほしい。子供はちゃんと見ている。時間をかけて、自分たちだけの呼び方を見つけていけばいい。わが家がそうだったように。


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